津田さんは、自他ともに認めるあゆの友釣りとあまご釣りの名手。師と仰ぐ人も多くちょうど居合わせた下川さんもそのお一人。この方も相当な名手として有名。さしずめ津田塾といったところで、津田さんが塾長で下川さんは塾長代行だ。で、運良く話を聞くことができたこちらは聴講生。と勝手に決めて以下はおふたりの講義録。二日目の釣行に非常に役に立った。


川虫の保存はミズゴケが一番。

花屋で売っているミズゴケを1日水にさらしてあく抜きし、ストッキング用の洗濯ネットに入れ洗濯機の脱水層でメいっぱい水気を切る。 ネットから取り出してはさみで細かく切り刻む。 ミズゴケが一番保存によい。

ヒラタは指の腹でやさしくはじく。

ヒラタは、朝は水中の石の上か脇、日中は石の裏にいる。石の下手にタモをセットして石をなでてやる。このとき勢いよくなでるとヒラタがつぶれて死んでしまう。あくまでもやさしくだ。指のはらにヒラタを感じるから、やさしくはじいてやるとよい。タモの中に取れたヒラタをそのままにして次の石に移動する。30分も取れば、1日分は確保できる。石をひっくり返していてどうするんだ。時間が掛かって一番おいしいジアイを逃がしてしまう。

取ったヒラタはタモの中にそのままにして、タモを2,3度振って水気をきり、あらかじめ用意したミズゴケを入れ、手でよくブレンドする。これでえさ箱なら半日は生きているから、1日分確保したら半分は餌箱へ、半分はクーラーへ入れておけばベスト。


おもりは軽くて大きい中通し。


ガン玉は使わない。割ビシがよい。一見ガン玉のほうが、同じ重さなら小さいから、水の抵抗が少なくよいように思えるが実はその逆。抵抗が少ないから石に噛まれやすい。割ビシのほうが大きいから、石の上や周りを波と一緒に通過して噛まれにくい。 それと肝心なのは、おもりを中通しにすること。微妙なあたりを目印に敏感に伝え、あまごが捕食する際、できるだけ違和感を与えないためだ。割ビシを水中糸とハリスの結び目の上に、結び目で止まる程度に爪で軽くつぶす。これでOKだ。ん?水中糸とハリスが通しの人は、しようがないね。


目半分目印、目半分水の中。


当たりを取る時どうしてる? 目印だけを見てるだろ?それじゃダメだ。目印が変化したときには、えさを取られているか、違和を感じて吐き出している場合が多い。あまごは、えさをいきなり飲み込まない。一度くわえてちょっと移動する。そのときのあたりが微妙なんだ。これを見極めるために、常に水中にも目を凝らす。くわえて移動すると、ギラギラっとヒラを打ったように光るからわかる。これがわかるようにならないと数が伸びない。ヒラタが水中を泳ぐのが見えるようになる。そうなれば一人前だ。


アブッラパヤが釣れだしたら場所移動


あまごは沢山いるよ。ひと場所に100以上はいるんじゃないかな。だからといって全部釣れるわけじゃないし、釣りきっちゃいけないけどね。よくアブッラパヤしか釣れない、と言う人がいるけれどその場合、先行者がいたか、自分で追い払った場合が多いよね。当たり前だけど服装は地味目、ポイントには静かに入り、伏せるように腰を低くして釣る、これが原則。あまごは非常に敏感。ちょっとした物音や影でさっと散る。残っているのは鈍感なアブッラパヤだけだ。そうなったらさっさと見切りをつけて場所移動だ。

あまごは穴に潜らない。
大物を掛け、やり取りしているうちにエグレに潜られ、反射的に引っ張り出そうとする場合があるよね。これもダメ。岩魚と違って絶対に穴にはもぐりこまない。へばりつくだけ。そんな時には、ちょっと一服するぐらいのつもりで待って、竿先で聞いてみると、敵はずずっと泳ぎだす。またやり取りして弱ってから取り込めばよい。


4月1日

4月2日

5月13,14日