9月30日,10月1日
9月30日(火)快晴。尺あゆをめざして。
前回釣行後,また一雨あった。まとまった量ではあるが,垢が飛ぶほどではない。しかし現実には川から垢が消えていた。厳密には,雨が降る10日ぐらいから垢が減少し,石がザラザラになったそうだ。しばらく晴天が続き,高水温が続くと起こる現象らしいが,60年,狩野川で暮らす津田さんにしても初体験だそうだ。
ともあれ,雨から10日後,垢つきが不充分との事だが出かけた。シーズンも後わずか。そうそう待ってはいられない。
ハミ後がない!
7時半水晶淵入川。水温17.8℃。平水位。水温は午後になってやっと20℃を越えた。もうすっかり秋の川。なるほど垢つきが悪い。やっと石が黒づきはじめ,手で触るとぬめりを感じる程度。驚いたことに辺地はもちろん流芯の石にハミ後がまったくない。垢をはむあゆのヒラも皆無。沖のトロでたまにハネが見えるのだが。この1週間,津田さんの店のお客さんの釣果はツが抜けず心もとない。今年の秋は,数じゃない,大物狙いよ,という意気込みもおぼつかなくなってきた。
前回よりも型落ち。23cm止まり。
前回25.7cmを掛けた。その後27cmも出たとか。狙いは30cm超。めざせ尺あゆ,だ。
ガンガンも分流もパッとしない。狙いを水晶淵のトロに絞る。最下流に1人入っている。支度している間に盛んに竿を絞り込んでいる。やはりトロだ。竿をT中硬硬9.5m,水中糸,フロロの0.175を張る。針は8号チラシ。手前の瀬の際から真中のトロをゆっくりと泳がせる。なかなか追わない。30分ほどして目印が小刻みに移動する。竿をためるとググンともぐる。でかい!が,あゆではない。茶色い背びれがみえる。ニゴイだ。0.175ではとても持たず高切れ。付け替えるがまた追わず10時近くになってやっと来て19cm。おとりが変わってすぐに連れて来たが18cmとサイズダウン。いずれも真ん中のトロ。魚体も白く良く泳ぐ。上の落ち込みまで泳がせたところでガツンと来たのが23cm。続けて同サイズ。11時半過ぎ,落ち込みに年配の方が入ってきたので譲って昼飯とする。計4本。雨であゆが入れ替わったのか,大型は下ったのか前回よりサイズが落ちる。
午後はまったく追わずのオデコ。
昼休みもたっぷり取り,おとりも温存。 ちょっと風が出てきたが再開する。シルバーシートの最下流を丹念に泳がせるがまったく追わない。前回までの,午後追った記憶が脳裏をよぎり,そろそろ追うだろうという期待感からとうとう3時過ぎまで粘ったあげくオデコ。そう言えば,午後はまったく追わず,次回は,午後は分流へ移動するべきという,反省点もあったっけ。だめだ、こりゃあ。最下流で釣っていたNさんも,午前中だけ釣れて,午後はまったく追わずの計7本とか。(この日の竿頭)

10月1日(水)晴れのち曇り。ふたたび尺あゆをめざして。
前夜,Nさんとあゆ談義。普段人が入らない最下流での釣技をひとしきり伺った。9時入川。すでにトロは満席。5人ならんでいる。荷物を置いて分流へ移動するつもりでいたが,Nさんポイントを見ると誰もやっていない。今日は,午前中だけの予定。ものは試し,と入る。
あわやオデコ?
左岸側は鏡のようなトロ。 右岸側は瀬の最下流。川幅は広く水深もある。ポイントはガンガンの瀬の開き。Nさん,昨日25cmをあげたと聞いていたので,T中硬硬9.5mにターボ0.1号を張り,手尻を1m取る。5mほど立ちこんで,大きな石の上から沖へ泳がせる。おとりは養殖。水深があるのでなかなか進まない。ここは我慢と,テンションを掛けながらひたすら辛抱する。流れの際までたどり着く。今度は流れに逆らって上へ登る。竿先でブレーキを掛けてしばらく待ったところでゴンときた。背に持ち込まれるとのされるので,トロへ持ち込む。ぐんぐんともぐり,なかなか寄って来ない。水深があるのでスリル満点。やっと取り込んだが23cm。目標が高いからあまり感動がない。めざせ尺あゆ,だ。躊躇なく付け替え,送り込む。今度は元気よく沖へ泳ぐ。ポイントたどり着いたところで自由に泳がせるが後が続かない。竿先をきかせてブレーキを掛けたり,鼻先を持ち上げ落としこみ尻尾を振らせたりとしたがまったく音沙汰なし。10時過ぎ,風が強くなる。トロは風に弱い。目印が風を受け,ヨットの穂のようになり,足元まで吹き寄せられ始めた。辛抱たまらず,小休止。小休止が大休止となり,昼となる。本日の釣果,かろうじて,オデコまぬがれの1本。そろそろここらが潮時? まだまだ。めざせ尺あゆ,だ。


10月31日,11月1日