8月19〜20日

台風や不順な天候もやっと落ちついてきた狩野川。
と思っていたら台風15,16号が続けて発生。来週あたりから東海・関東にも影響大。
な〜んてニュースを見て急に思い立って出かけることに。

8月19日(水)曇り 雨後の型落ち。

11時過ぎ津田おとり店に着くなり、津田さん”釣れないよ”
すかさず早上がりした先客が、
”どこもかしこもノロだらけ。ボーズボーズ、オデコだよ”
フツーは、
”どこそこの石はアカツキがよく、ハミ跡もいっぱい”
となるが、いまは、
”どこそこはノロガ少ない”
”んにゃ、ノロガ少ない、ということはノロガつく石がない、ということじゃない?”
な〜んて、わけのわからん話が最優先。
”トロはどう?”
”相変わらず鵜のお狩場。人が少ないから、上から下まで鵜の天下。○○さんなんか先週2本もオトリを鵜にもっていかれたよ”
それでも多少ノロは少なかろう、ダメもとで、とトロへ入る。12時過ぎ、鵜ははるか下流、大仁橋あたりに見え隠れしている。

えっ、うそ。

左岸寄りはやはりノロ・青藻が多い。できるだけガンガン瀬の落ち込みに近づいて。ノロが少なそうなポイントへオトリを送り込む。
立て竿にして水中糸をたわませ、オトリをフリーにして泳がせる。上竿にしてちょっとでも引こうものなら、すぐにノロがおとりや掛け針にへばりつく。ここはじっと我慢のしどころ。しばらくして掛かった。16センチほど。ぽつぽつと3本追加もいずれも小振り。鵜がじわじわと近づいてきて対岸のテトラの切れ目あたりに見え隠れしている。ぽつぽつながらかかるのは鵜が追いこんでくれているから?と想えるえるほど予想以上に良く掛かった。
突然目印が消しこみ、竿先が絞り込まれた。
”デカイッ、ん?鮎?”
鮎にしては特有の、ぐんぐんとした潜り込むような絞り込みがない。
”まずい、竿が折れるっ、”と思った瞬間、すっぽ抜けるように外れ、オトリがすっ飛んできた。同時にザボッと水面に鵜が浮き上がってきた。40年近く鮎釣りをやっているが、これは初めての体験。おとりは傷だらけで即死状態。鵜も驚いたらしく2度とあらわれなかったが、極端に追いが悪くなり、4時過ぎまでに2本追加も根掛かりで1っぽんロス。お持ち帰りは計5本。うち20センチ越えが1っぽんのみ。う〜ん、昨日までの雨で大きいのは下ったかな?それとも朝のうちに鵜が捕食済み、かな?
店に戻ると他の人は0〜2本で、5本が竿頭だとか。これはちょっと淋しすぎる、でしょうが。

カメラを車に忘れてしまった。撮影はおとり店にて。

鵜に飲み込まれかけた鮎の傷跡。ちょっとピンぼけですが。

 

8月20日(木)雨のち曇り 撃沈のボ。

今朝は9時過ぎまで雨模様。そのためか人が少なく常連さんおひとりと自分だけ。津田さんが分流のヤナギから渡り場まで。自分がその下流、大石下のいつもの場所。常連さんは、その下流あたりにということに。やはり足元からノロが一面びっしりと。沖目のノロが少なそうなあたりにオトリを送り込んで立て竿にして待つ。あらら、オトリが動かない。引けばノロが絡むのでじっと我慢してしばらく待つ。そのうちにオトリがズルズルと下がり始めた。手元に引き寄せてみるとハナカン周りにノロがびっしり。長いのが鮎の顔に掛かってまるでサダコだ。掛け針にもへばり付いている。ノロをとっては送り込むを繰り返すも状況は同じ。ダ〜メだ、こりゃ。
”鮎はお化け”とよく聞くが、お化けの代わりにサダコが出た、なんて話はシャレにももなりません。
下流に目をやれば、常連さん、しきりに頭をなでなで。これ、ボーズのサイン。12時過ぎには、”かすりもしない”と早上がり。
津田さんはというと、陸に上がっていて、何やらもそもそとお客さん用?の足場作りを始めていた。
近づいてきて、
”どうよ、釣れた?”
”ダ〜メ、ダメ”
”おれ、1っぽん。ちいさいねぇ。昨日の雨で下ったかもしれない。でもねぇ、ノロガだいぶとれてきたよ、石の頭が見えるもの。あと2週間もすれば枯れてなくなるよ”
と言ってまた足場作りに戻っていった。さすがおとり屋のおと〜さん、言うことが前向きだねぇ。
2時近くになってもまったく追わず。相変わらずノロとの格闘。津田さんの姿も視界から消えて、急に淋しくなった。
雨がポツンと落ちてきた。これを言い訳にさっさと店じまい、早上がりとしました。

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